NETFLIX【海外ドラマ】ダイナスティ/鉄壁の「自己中女」のファロンの生きざまが、ある意味心地良い

 

自分を引っ込めることで、「毎日つまらないな~」と感じている人におススメのドラマが、アトランタの上流社会に生きる大富豪一族の裏と表を描くNETFLIXシリーズの『ダイナスティ』です。

この作品は80年代に米国で大ヒットしたドラマのリメイク版で、巨万の富を守るためなら手段をいとわない大富豪一族の物語。正直、この紹介文でずっと視聴欲が湧かず後回しにしていたタイトルでしたが、見始めたところどハマリ。何より大富豪一族の父親役に二枚目グラント・ショウ、一族のお屋敷に長年仕える執事役に『24』や『LOST』でもお馴染みのアラン・デイルをはじめ、魅力的なキャストが勢ぞろい。とりわけ主役の大富豪の娘、ファロン役でドラマを引っ張るエリザベス・ギリースの徹底した自己中な生きざまは、観始めは嫌悪感しかないものの、人とのかかわりを通して徐々に成長してゆく過程には心地良さを覚えます。
※とはいえ、どこまでも自己中なアイデンティティは最後まで健在なのですが。

ファロンの自己中ぶりは、ありえない奇抜な発想と金にモノを言わせてすべてを意のままにするという、普通に生きてる人からすると超・非現実的なパターンが多いのですが、それでも「ここまで大胆に生きられたら、きっと気持ちいいだろうな~」という、まさにドラマに求める妄想的欲求の世界を、ひとかけらのためらいもなく、豪快かつ爽快に描き切っています。※ある意味、多分にコミカルでもあります。

製作には『ゴシップガール』のプロデューサーだったジョシュ・シュワルツとステファニー・サヴェージ、脚本は『リベンジ』の脚本家サリー・パトリックで、セレブを題材とする作品作りはお任せ!の布陣。この顔ぶれなら、セレブ物が好きな人なら観る前から作品の面白さは推して知るべしなのかも。

さらにこのドラマのありえない点は、レギュラーの女優さんがある日突然シレッと別の女優さんに差し変わっている点で、グラント・ショウ演じるファロンの父親、ブレイク・キャリントンのパートナーのクリステル役は、二代目クリステルがシーズン2と3ではまったく別人が同一人物として登場したり、ファロンの母親役も、回想シーンでもないINGのシチュエーションで計3名が同一人物を演じています。特に二代目クリステルは、シーズン3の冒頭でまったく知らない人物のバストアップに「え。誰。親戚の人?」とまごついているうちに、あー、え?クリステルということ?という、キツネにつままれた状態で物語の続きに突入するという、サプライズなシーズンとなっています。

残念ながら視聴率にシビアな米国ショービジネスの世界、視聴率が継続ラインに届かなかったようで、今年のシーズン5で完結を迎えてしまいますが、それはそれ。ドラマティックな時間を楽しみたいなら、数週間は退屈しない時間を楽しめるのではなかろうかと思います。

スカッと爽快な気分になれるダイナスティ、おススメです。

公式サイト https://www.netflix.com/jp/title/80179394